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成績異議申し立て書の書き方、実際のシラバス情報を例に手順を解説!

成績異議申立ての作成手順
kobataka1
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大学では成績異議申し立ての制度があり、学生が申し出ることで授業担当教員に成績についての疑問を問い合わせることができます。

ただし、問合せの受け付けは根拠のある申立書のみで、根拠に乏しいものは事務で却下されることも多いです(「不可の理由を教えてください」という申し立てを受けていたらキリがないため)。

そこで本記事では、成績異議申立書の作成過程を、実際の授業シラバスをもとに紹介します。

ダイマナ
ダイマナ
現役国立大学職員
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  • 平成元年生まれの30代、千葉県出身
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    東洋大学のシラバスに掲載されていた「マクロ経済学」で評価が「D:不合格」だったと想定して解説します。

    ※あくまで想像の話なので、実際の課題内容やテスト内容とは異なります。読者の皆さんが想像しやすいように、具体的な授業やテストを想定した申立書の作成手順を紹介します。

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    1、シラバスでの授業内容確認

    まず、東洋大学のシラバスで授業内容を確認します。

    一般公開されているシラバスの画面です。

    • 2024年度開講
    • 4単位
    • 授業回数30回

    2、成績評価基準の確認(シラバス 成績評価基準)

    同じくシラバスで成績評価基準を確認します。

    【成績評価の方法・基準】

    試験:70%(中間:30%、最終:40%) 知識・理解、説明力

    授業への貢献度・課題:30% 知識・理解、学習態度

    両方の試験を受験した者が評価の対象となる。ひとつでも不受験の者は評価対象外となるので注意すること。

    また、正確な試験日程および内容等の詳細は講義中にアナウンスするので、必ず確認すること。

    【評価の基準】

    東洋大学の成績評価基準に準拠する。

    東洋大学の成績評価基準は以下の通り、定められています。

    3、自身の履修状況を記述

    まずは自身の履修状況をできるだけ客観的にまとめましょう。

    出席状況

    30回の授業中、通常授業を2回欠席、1回先生都合の休講(補講なし)。出席を取ってる様子はなし

    →30回中27回、9割の出席

    授業への貢献度・課題

    対面授業で学生に意見を求めることがあったものの、発表等はなし。

    小レポートの課題(2000字以内1枚)が2回あった。

    →レポートは2回とも期限内に提出、教科書の内容を引用しながら、自分の意見を論述。8割程度の点数と推測。

    中間試験

    論述試験2問。1問目は貨幣経済、2問目は現代のインフレとマクロ経済に関連した問題。

    1問目は教科書と授業で説明のあった2つの理論をまとめ、課題についても言及した。2問目はニュース等の知識も交えて回答し、翌週の授業で自分の回答が「正解例」として紹介された。

    →1問目は8割程度、2問目は正解例となったので10割と推測。

    最終試験

    記述式穴埋め問題10問、選択式正誤問題10問、計算問題2問、論述試験1問。

    記述・選択問題とも8割はできた。計算問題は1問正解で、1問不正解(友人と回答すり合わせて確認)。論述試験は埋めたものの、わからず0点に近いと思われる。

    →全体としては5割程度の点数と推測。

    4、成績評価基準と履修状況・成績の照らし合わせ

    自身の履修状況を整理できたら、成績評価基準と照らし合わせましょう。

    【本授業の成績評価基準】

    試験:70%(中間:30%、最終:40%)  授業への貢献度・課題:30%

    中間試験:30%

    論述試験2問で9割の正答率 → 27点

    最終試験:40%

    記述式穴埋め問題10問、選択式正誤問題10問、計算問題2問、論述試験1問で5割ほど。

    →低く見積もって20点

    授業への貢献度・課題:30%

    授業出席9割以上、課題提出も期日内に行ったので8割は固い → 24点

    合計:27+20+24 = 71点

    自己採点では71点、成績は「不合格:D」なので59点以下。10点以上の乖離がある。

    5、成績異議申立書に転記

    大学が用意する成績異議申立書の理由欄に前章まで作成したものを転記すればOKです。

    いったん全部転記して、記憶があいまいな部分や言い回しが適切でない部分を削るといいでしょう。必要に応じて、文言を削り枠内に収めます。以下のようなイメージです。

    成績異議申立書

    【本授業の成績評価基準】

    試験:70%(中間:30%、最終:40%)  授業への貢献度・課題:30%

    【私の履修状況】

    ◯出席状況
    30回の授業中、通常授業を2回欠席、1回休講のため、9割出席。

    ◯授業の参加状況・課題
    小レポートの課題(2000字以内1枚)を2回提出。前半部は授業内容・キーワードを要約し、後半部に改善点を追求する形でレポートを作成しました。

    ◯中間試験
    論述試験2問。1問目は貨幣経済、2問目は現代のインフレとマクロ経済に関連した問題。

    1問目は教科書と授業で説明のあった2つの理論をまとめ、日本特有の課題についての考えも述べました。2問目はニュース等の知識も交えて回答し、翌週の授業で自分の回答を「正解例」として紹介いただいています。あわせて9割はできたと思います。

    ◯最終試験
    記述式穴埋め問題10問、選択式正誤問題10問、計算問題2問、論述試験1問。

    計算・論述はできなかったものの、記述・選択問題は回答しているため(講義ノートで復習しましたが、正答率は8割程度)、全体としては5割程度の点数は取れていると思います。

    【成績評価基準との関係】

    上記を踏まえると、合計:課題24+中間27+最終20 = 71点くらいは取れているように感じています。

    59点以下となっていることに疑問があり、申し立てさせていただきます。

    まとめ:成績異議申し立てに備えてメモを残しておこう

    具体的な授業やシラバスを用いて、成績異議申立書の書き方を紹介してきました。

    成績異議申立書には、具体的な試験での解答やレポートの作成内容が必要になりますので、なるべく記録を残しておくようにしましょう。

    なお、今回の例では10点以上の乖離があるというものでしたが、10点未満の乖離は配点の誤差の範疇になる可能性が高いです。

    「S」だと思ってたのに、「A」なのは疑問だ。という申し立てもできますが、成績が訂正される可能性は低いと考えています。採点基準により10点程度の差は当たり前につきます。

    (本件は具体的なシラバスを使いましたが、申し立ての一例として考えていただければと思います)

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