GPCAとは?授業ごとの成績の平均値は教育の質担保に使われる
GPCAは成績評価のクラス平均値を表す指標です。
学生の成績の平均値を示すGPAとともに、大学では近年注目されています。
- GPCAを詳しく紹介
- GPCAは教育の質担保に使われている指標
- 学生は基本的にGPCAを知ることができない
GPCAの概念について、現役大学職員が紹介します。GPCAを知っているとGPAを上げるための授業選択の参考になるかもしれません。
GPCAとは?
GPCAとは「Grade Point Class Average」で、成績評価のクラス平均値のことです。
GPAは学生にとっての平均値、GPCAはクラスにとっての平均値を表します。
【GPAの例】
3つの授業で、それぞれ秀・優・良を取った学生
→ (4+3+2) ÷ 3 = 3 で GPA値は3
【GPCAの例】
ある授業を3人の学生が受講し、それぞれ秀・優・良の成績だった
→ (4+3+2) ÷ 3 = 3 で GPCA値は3
GPCAはクラスの成績平均値となります。
絶対評価で成績をつけている場合、学生全員が秀(GPCA:4)ということも、学生全員が可(GPCA:1)ということもありえます。
成績ごとの数値については以下のGPAに関する記事で詳しく紹介しています。
GPCAの平均値
GPCAは授業によって異なりますが、平均値はGPAと同じく2.4~2.8程度に収まります。
【平均的なGPCA】
10人の学生がいた場合
秀:2名 優:3名 良:3名 可:1名 不可:1名
→(4×2+3×3+2×3+1×1+0)÷ 10 = 2.4
満遍なく成績がつけられた上記のようなケースではGPCAが2.4となります。
これはあくまで平均値なので、もっと高い授業も低い授業もあり、筆者の体感では以下のような傾向があります。
- GPCAの高い授業・・・ゼミ、教養科目
- GPCAの低い授業・・・必修の語学、理系の専門科目
少人数のゼミなどは出席・発表などをもとに成績がつけられることが多いので、出席さえしていれば、いい成績が取りやすいです。
一方で、語学や理系の専門科目は単位を落とす学生が多いため、GPCA値も低くなりやすいです。
GPCAは3以上で成績の付け方が甘い、2以下で成績の付け方が厳しいという見方もできます。
「GPCAが高い授業ばかりを受ければ、GPAを上げやすいのでは?」と考えた人もいるでしょう。
確かにその通りなのですが、学生にGPCAは基本的に公開されていません。
GPCAの目的
GPCAのそもそもの目的は、教育の質担保によるものです。
成績評価が甘い授業、厳しい授業に極端な違いがあるのは以下の理由から好ましくないと考えられています。
- 学生が成績評価の甘い授業ばかり選択する
- 努力が成績に反映されにくく学生のモチベーションが下がる
クラス内で1番の成績でも「良」であるケースと、クラスの平均的な成績なのに「秀」であるケースがあると学生は納得しにくいでしょう。
学生への不利益をなくすために、教授会等で授業ごとのGPCAが報告されることもあります。
極端にGPCAが高い授業、低い授業を確認し、担当教員に理由を求めます。
絶対評価であるとはいえ、納得感を与えるためにGPCAという数値を用いて、分析が行われているのです。
まとめ:GPCAは教育の質担保のためのもの
あまり学生には聞き慣れないGPCAについて紹介してきました。
- GPCAは授業ごとの成績の平均値
- 成績の平均値に大きな差が出ないようにGPCAが用いられている
GPCAは学生に公開されませんが、成績の付け方を是正する動きが大学内であることを知っておくと良いでしょう。
先輩から聞いた「成績の付け方が甘い授業」も今後、成績基準が変わっていくことも考えられます。