大学の成績異議申し立ての成功例や書き方を現役職員が紹介
大学の成績に納得いかないとき、「異議申し立て」ができます。
教員にクレームを言うようで遠慮してしまう人もいるかもしれませんが、学部内でも毎年数人から異議申し立てがあり、3割程度は成績が変わっています。
- 成績異議申し立てのやり方・手順
- 成績異議申し立てができないケースも紹介
- 成績異議申し立ての成功例
本記事を読めば、成績異議申し立ての方法がわかります。今期の成績に不満がある方にも、後学のためにも役に立つ内容かと思います。
成績異議申し立てとは
成績異議申し立てとは、「成績に不服や明らかな間違いがある時に担当教員に異議申し立てができる制度」です。成績異議申し立ての制度について詳しく紹介します。
成績異議申し立ての流れ
各大学、成績異議申し立ての制度を作っていますが、申し立ての手順は大学によって異なります。基本的には以下の手順で行われます。
※教務担当を通さず、直接教員とやり取りする大学もあります。
- 学生が成績異議申し立て書を作成し、学部の教務担当事務に提出
- 教務担当事務から先生に、申し立て書を送付
- 先生が回答書を作成し、事務を通じて学生に返答
(成績が変わる場合は、事務で修正) - 学生が納得いかなかければ、複数の教員で組織される調査委員会などに再審査依頼
- 調査委員会で教員・学生に聞き取りし、審議
以下は山口大学の流れです(事務は挟まず、学生と教員がやりとりするフローです)
成績照会ではない
成績異議申し立ては「成績照会」ではないため、以下のような申し立てはできません。
- なぜ「可」なのか教えてほしい
- 留年してしまうので、なんとか単位をとりたい
あくまで、具体的な理由に基づいて、異議を申し立てる手続きのため、気軽に申請できるものではありません。異議を申し立てる具体的な理由が必要になります(後述)。
成績異議申し立て書の書き方
所定様式に記載する
多くの大学では成績異議申立書の様式を準備しています。成績異議申立書の様式にそって、学籍番号や講義名、申し立て理由などを記載します。
その後は、教務担当窓口にメールをするフローが多いですが、教員に申立書を送付する学部や、メール本文で教員に問合せ可能としている大学もあります。
理由の書き方
成績異議申し立てでは、具体的理由の記載が最も重要です。
シラバスの成績評価に関する記載と、自身の受講状況をできるだけ細かく記載しましょう。
【成績異議申し立ての理由の書き方】
◯シラバスの記載:平常点30点・小レポート(2回)30点・期末考査40点
◯私の授業参加記録:
- 欠席は1回のみで、毎回真面目に授業を受けていました。
- 2回ともレポートはclassroomで提出し、フィードバックコメントもいただいています。
- 期末考査も受講し、半分は回答できた自信があります。
上記のような状況のため、合格点は取れていると思います。「不可」であった理由を教えていただきたく、よろしくお願いいたします。
成績異議申し立ての成功率
成績異議申し立ての成功率は、筆者の感覚ですと3割程度です。3件に1件は、教員が申し立てを認めて修正しています。
ほとんど、調査委員会での再審議は行われず、担当教員による修正で収まることが多いです。
だいたいの内訳は、
- 単位がほしいがための無茶なお願い・・・全体の3割
- 理由がしっかり書かれた申し立て・・・全体の7割
無茶なお願いはもちろん申し立てに失敗します。
理由がしっかりしているものに関しては、先生がレポートの記録などを確認し、そのうちの半分くらいが異議申し立てに成功しているイメージです。
成績異議申し立ての成功例
具体的にどんなときに、成績異議申し立てが成功するかというと、多くは「先生の確認ミス」です。
- 課題提出が先生のメールの迷惑フォルダに入っていた
- 出席入力のエクセル式が間違っており、不合格の点数になっていた
- 同じ氏名の他の学生と、テストの点数を互い違いにつけていた
こういったケースでは、先生からのお詫びとともに成績が修正されます。
一方で、留年を避けるためのお願いで、成績が覆ることはまずありません。
たまに、MoodleなどのLMSに繋がらなかったなどという申し立てがありますが、個人のネット環境を理由に申し立てが通ることもありません(複数の人がアクセスできなかったり、途中までアクセスできていたログがあれば別ですが)。
まとめ:不服があるなら成績異議申し立てを!
大学の成績異議申し立て制度について紹介してきました。
大学教員にも間違いはあるので、疑問に感じた場合は、理由とともに申し立てを行うといいでしょう。
また、いざとなったときには、提出したレポートデータや出席記録メモ、授業ノートなどがあると申し立てをする材料になります。日々、授業の記録をつけることを心がけましょう。
教務課へのメールの書き方など、大学のルールなどについて発信していますので、他の記事も読んでいただけると嬉しいです。