親が払う大学の学費の目安を解説!実家と下宿の違いも紹介

大学でかかる費用や親からの援助などについて、具体的なデータを用いながら詳しく解説します。
結論からいうと、年間で以下の金額が大学生にはかかります。
- 国公立の学費のみ:70万円
- 国公立の学費+生活費:120万円
- 国公立の学費+住居費:130万円
- 国公立の学費+生活費+住居費:180万円
※上記は国公立の金額、私立文系なら+50万、私立理系なら+100万と考えてください。
一般的なデータは「平均」ばかりで、実際に必要なお金がわかりづらいです。
本記事では、実際に必要な金額という観点で詳しく解説していきます。
大学生の平均的な支出額
大学生の平均的な支出額については、様々な調査がありますが、日本学生支援機構(JASSO)の提供している進学資金シミュレーターで提示される表がわかりやすいです。
実家から通うケース

上記は月額ですが、年換算すると学費関係は約120万円、支出合計で約160万円です。
下宿などのケース

学費関係は年間約110万円、支出合計で年間約220万円です。
学費の支出
住居費はもちろん下宿生のほうが多くかかるので、実家(年間約160万円)と下宿(年間約220万円)で差があります。
学費関係は実家・下宿で年間110万円~120万円です。これは平均値なので、進学する大学によって大きく異なります。
具体的には以下のとおりです。ざっくりなので、具体的な金額は大学のホームページで調べてみてください。
- 国公立:年間約70万円(平均より50万少ない)
- 私立文系:年間約120万円(平均程度)
- 私立理系:年間約170万円(平均より50万少ない)
【参考】大学生の所属別のおおよその割合
- 国公立文系:11%
- 国公立理系:14%
- 私立文系:50%
- 私立理系:25%
平均より少ない国公立学生と、平均より大きい私立理系学生がほぼ同じ割合なので、ちょうど中間(120万円)が平均値となっているイメージです。私立文系は平均値くらいの学費になります。
つまり、年間にかかる費用は以下のようになります。
- 学費:70万~170万円(私立国立、文系理系で異なる)
- 生活費:50万円(食費・娯楽費・その他雑費)
- 住居費:60万円(下宿生のみ、光熱費など含む)
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大学生の平均的な収入額
収入に関しても、実家と下宿で年間60万円ほどの差があります。
主に住居費を賄うために、親からの給付や奨学金が多くなっています。
実家から通うケース

上記は月額ですが、年間さんすると家庭からの給付は年間約95万円です。
下宿などのケース

家庭からの給付は年間約145万円です。
家庭からの給付の実態
家庭からの給付額は実家平均で95万円、下宿平均で145万円ですが、家庭が支援している実態は以下のいずれかだと考えています。
- 学費+住居費+生活費(月額18万円、年額216万円)→全学親負担
- 学費+生活費(月額13万円、年額156万円)→実家でバイト不要
- 学費+住居費(月額12万5千円、年額150万円)→下宿生・生活費はバイトで
- 学費のみ(月額9万5千円、年額114万円)→実家・生活費はバイトで
- 学費は親が負担しない→奨学金・バイトで学生本人が学費を支払う
この5パターンのいずれかで親が負担しているケースが多いと思います。
※パターンごとの平均額なので、私立理系だと負担が50万ほど増え、国公立だと負担が50万ほど減ると考えてください。
親の給付平均額は年間100~150万円程度ですが、250万円以上給付を受けている人も、全く給付を受けていない人もいるのが実態です。
奨学金の実態
奨学金の平均額は、実家と下宿で大きな差はなく、年間30~45万円ほどです。
平均値だけを見れば、4年間では多くても200万円には収まります。
平均は200万円以下ですが、500万円以上の奨学金(年間120万円以上)を借りている人もいます。なので、平均の考え方はあまり意味がありません。
別のデータで、奨学金の貸与率は約50%ということがわかっています。
年平均40万円で奨学金の貸与率が50%というデータから以下のような分布だと考えられます。
【学生が10人いた場合】
奨学金を借りる額 (0.0.0.0.0.60.60.80.80.120) 【単位:万円】
5人が奨学金なし、2人が60万円、2人が80万円、1人が120万円
→平均40万円
なお、年額120万円だと私立理系には行けない?と考えるかもしれませんが、120万以上も借りることは可能です。また、国の教育ローン(日本政策金融公庫)など、別の方法で学費を工面する方法もあります。
アルバイトの実態
アルバイト収入の平均は月間3-4万円です。これも平均ですので、実態としては以下のような学生がいると考えています。
- 夜職など:月20万以上
- 夜勤など:月10万円程度
- 夕方週3日:月6-7万円
- スポットバイトなどで月2-3万
- バイトなし
バイトをしないで学業に専念している学生もいるので、平均額は3-4万円となっていますが、高額バイトで月20万円以上稼ぐ人もいます。
学業をおろそかせずに稼ぐのであれば、月6-7万円程度が現実的なところでしょう。理系の学生ではバイトができないほど忙しいという学生も多いです。
バイトで補填できるのは、学費や生活費のうちの微々たる額にすぎません
大学で勉強するのに年間でかかる金額
ここまでを整理すると大学生に年間かかる金額は
◯実家:年間約170万円(学費120万円+生活費50万円)
→国公立は50万安く120万、私立理系は50万高く220万円
◯下宿:年間約220万円(学費110万円+生活費50万円+住居費60万円)
→国公立は50万安く170万円、私立理系は50万高く270万円
私立文系実家の170万円を基本に、国公立なら50万安い、私立理系なら50万高い。さらに下宿なら60万円高いと覚えておくといいでしょう。
学費を自分で全て払う学生は2割程度?
具体的なデータはありませんが、大学の学費を全て自分で支払っている割合は2割程度だと考えます。
再度、奨学金の平均額年間40万円で、50%が借り入れしているというデータから考えます。
【学生が10人いた場合】
奨学金を借りる額 (0.0.0.0.0.60.60.80.80.120) 【単位:万円】
5人が奨学金なし、2人が60万円、2人が80万円、1人が120万円
→平均40万円
ここから以下のように考えます。
- 50%は奨学金を借りていないので、親が学費を払っている
- 奨学金額:年間60~120万円<学費:年間70~170万円
- 学費のほうが高いので、全員が奨学金で学費を負担できない
- 少額の奨学金は、生活費・住居費に充てられるケースが多そう
奨学金を借りている人が10人中5人
その中で学費に賄っているのは5人中2人ほど(他は、住居費などにあてる)
ここから、学費を自分で払っている学生は2割という考えに至っています。
※学費の70万円は親が払っているけど、生活費・住居費の110万円は自分で払っているという学生もいるので、「学費を親が払っている割合」という数値はほとんど意味がないように思います。
もちろん、「大学の途中から自分で支払うことになった」「学費の半分だけ自己負担」という学生もいますが、全体の2割くらいが自分で学費全学を負担していると考えています。
まとめ:親が支払う金額の目安
ここまで紹介した費用感から、親がどこまでを負担するか考えると良いでしょう。
国公立の例で考えますが、私立文系なら以下から+50万、私立理系なら+100万と考えてください。
- 国公立の学費のみ:70万円
- 国公立の学費+生活費:120万円
- 国公立の学費+住居費:130万円
- 国公立の学費+生活費+住居費:180万円
学費だけ支払うなら①、実家暮らしでバイトしないでもいいように支援するなら②、下宿でバイトしないのなら④、下宿費と学費のみ支援するなら③です。
最近の親御さんは、①の学費のみ、③の学費+住居費(下宿なら)を支払っている人が多いようです(生活費はバイトして稼いでねというスタンス)。
私立理系で、下宿させて全費用を賄うなら年間280万円というのが実態です(医学部はもっとかかります)。家庭からの負担ができないという場合は、奨学金も検討しましょう。奨学金は年額60万円~120万円程度で利用する方が多いです。
これで足りない場合は、日本政策金融公庫による教育ローンも検討するといいでしょう。

