大学の他学部開講科目は履修するべき?メリット・デメリットを紹介

大学の履修登録・時間割決定に悩む学生は多いです。シラバスを見ていて学部の必修科目だけでなく、他学部の開講科目に興味を持つこともあるでしょう。
- 他学部開講科目の制度の解説
- 他学部開講科目をとるメリット・デメリット
- 「モグリ」と違い、他学部開講科目は単位修得可能
大学では多様な学びが推奨されているので、多くの大学では他学部の授業も履修可能になっています。大学の他学部履修について解説していきます。

他学部開講科目とは
他学部開講科目とは、自身の所属する学部以外で開講される授業科目のことです。
他学部開講科目は大学によって呼び名が異なり、「開放科目」「学部開放科目」「他学部履修」などと呼んでいる大学もあります。
例えば、文学部の学生が法学部で開講される「民法概論」を受講したときに、以下のように表現します。
- 「民法概論」は他学部開放科目である
- 他学部履修で「民法概論」を受講する
基礎科目と専門科目
他学部開講科目を理解するうえで、大学のカリキュラムについても言及しておきます。
多くの大学では大学で修得すべき授業科目を「基礎科目」と「専門科目」に分けて管理しています。
- 基礎科目:学生全員が修得できる基本科目。一般教養・外国語・体育・情報など
- 専門科目:各学問分野の専門性を高めるのに必要な科目
基礎科目
基礎科目も大学によって、呼び方が異なります。
- 早稲田:共通科目
- 東洋:基盤教育科目
- 筑波:基礎教育科目
- 埼玉:基盤科目
- 大阪:教養教育系科目
基礎科目は、どの学部の学生も受講できるというのが基本的な考え方です。
修得すべき基礎的能力は学部ごとに大きく変わらないので、基礎科目を全学生が受けられるようにして、大学運営を効率化しているという側面もあります。
また、理系の基礎的な内容を学ぶ科目として「理工学基盤科目(東洋大学)」「専門基礎科目(筑波大学)」などを定めているケースもあります。
専門科目
専門科目も大学によって、呼び方が異なります。
- 早稲田:専門教育科目
- 東洋:専門科目
- 筑波:専門科目
- 埼玉:専門科目
- 大阪:専門教育系科目
専門科目は学部の専門性を高めるのに必要な科目なので、原則として他学部生が受講することはありません。文学や理学など、専攻の学位を取得するために必要な科目だからです。
専門科目にあたる科目を他学部の学生が受講できる制度が、本記事で説明している「他学部開放科目」です。
他学部開講科目と基礎・専門との関連
大学の基本的な考え方としては、大学1年生で基礎科目を修得し、2.3.4年生で専門科目を修得します。基礎科目に該当する入門系の内容に関しては、文学部学生でも法学系や理学系の授業を受講できます。
もともとは他学部生の受講を想定していない専門科目ですが、他学部生が受講できるようになるのが「他学部開講科目」です。
多くの学生は、基礎科目で他分野の履修を終えるところを、他学部開講制度を利用すると他学部の専門科目も受講することができます。
大学としては「多様な学び」を推奨しており、他学部開講科目は増加の傾向がありますが、専門性が高い科目は基本的に開講されていません。他学部開講科目は、専門科目の中でも入門的な科目が多いです。
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他学部開講科目のメリット・デメリット
メリット:多様な学びを得られる
他学部開講科目を受講することで、主専攻分野以外の知見を得ることができます。知的好奇心の充足だけでなく、主専攻の学問への応用も期待されます。
他学部開講科目を受講したことで、卒業論文のオリジナリティに繋がったり、進路・就職先を検討するヒントになるかもしれません。
デメリット:卒業要件単位に算入できない
主専攻以外の授業なので、理解が難しい可能性があり、基礎的な科目と併せて履修が必要になるかもしれません。勉強時間が必要になるのは間違いありません。
また、他学部開講科目に関して卒業要件単位数への参入ルールは大学ごとに定めています。他学部開講科目は、卒業要件単位に参入できない場合もあるので注意が必要です。

まとめ:他学部開講科目の受講は計画的に
他学部開講科目の概要について紹介してきました。
専攻以外の能力をつけられる魅力的な制度なので積極的な受講をおすすめします。特に、同じキャンパスに文理学部がある総合大学では選択肢も多いので、大学での開講科目を調べてみるといいでしょう。
注意点としては、卒業要件単位への算入基準が学部によっても異なる点です。基礎科目にしか算入できないのであれば、他学部開講科目用に数単位分残しておくのもアリです。
また、他学部開講科目とは別に体系的に別分野を学べる「副専攻制度」を採り入れる大学も増えていますので、興味のある方は以下の記事も参考にしてみてください。


