履修取消期間とは?大学が履修取り消しにゆるい理由

大学の履修登録に関しては、「履修登録修正期間」中にすべての登録・取消が必要な大学と、別に「履修取消期間」を設けている大学があります。
- 履修取消期間を設定している大学の実例を紹介
- 履修取消にゆるい大学がある理由
履修取消がゆるい大学の裏事情などを現役職員が解説していきます。

履修取消期間とは?
履修取消期間は、履修登録・追加はできずに履修取消のみを学生ができる期間のことをいいます。
すべての大学であるわけではないですが、以下の大学では履修取消期間が設定されています。
明治大学の2024春学期の情報を引用します。
履修取消は年間8単位まで認められます。履修取消希望者は、期間内にOh-o!Meijiアンケート機能より申請してください。
【注意事項】
(1)履修修正期間また履修エラー修正のために削除した科目は上記の8単位には含まれない。
(2)研究科間共通科目、他研究科科目、共通基礎科目、他大学院科目は取消不可。
【履修取消期間】
春学期: 2024年5月7日(火)・5月8日(水)
※期間外の取消は一切認められない。
おおよそ以下のような条件で設定している大学が多いです。
「授業開始から1か月ほどの時期に、2,3日間」
履修取消期間と履修登録修正期間の違い
履修取消期間を設けている大学と、そうでない大学の特徴は以下の通りです。
- 履修取消期間あり:登録と別に取消期間を設けることで、例外の取消を一切不可とする
- 履修取消期間なし:原則、履修登録修正期間で受講有無を判断する。やむを得ない取消は後日でも可能なことがある
履修取消がある大学は、最後の確認期間を設けているので、以後の取消は一切認めない大学が多いようです(事務としても一律の判断ができて、効率的というメリットがあります)。
履修取消にゆるい理由
履修取消期間がある大学に比べると、ゆるく事務で履修取り消しをしている大学もあります。
その理由について、参考に紹介します。
履修取消期間は厳守が原則
まず、履修取消期間は「厳守」となっています。
大規模な大学では数万人いる学生に個別対応できないため、例外を一切認めないようにしています。大学にとっては厳密に「期日厳守」とするのが効率的です。
履修取消をゆるすメリット
「期間外は対応しない」とするのが効率的ですが、履修取り消しを行う大学側にもメリットがあります。
それは、講義での「不可」人数を減らせる点です。講義で「不可」が多いのは先生・大学側として嬉しいことではありません。
【例えば10人履修の講義で、5人が履修取り消しできなかった場合】
- この講義では5人が「不可」となる。
- 講義自体の成績平均値(GPCA)が下がる
- 不可の多い授業は、教授会などで問題になることがある。
講義ごとの成績平均値は「GPCA」という値であらわされ、極端な数値は「問題がある授業」とみなされることがあります。GPCAについては以下の記事で紹介しています。

簡単にまとめると、「不可」が多くついている授業は「訳あり」のレッテルが張られることがあり、大学としてはその状況を避けたいということです。
※成績をつけている状況(秀・優・良・可・不可の割合など)は学内の調査や時には文部科学省に提出することもあります。
まとめ:履修取消できるかは、大学・学部の判断次第
履修取消期間を設けている大学と設けていない大学があります。
- 履修取消期間がある大学:個別対応は一切不可のため、学生に一定の猶予を与える
- 履修取消期間がない大学:履修修正期間にすべて行う。その後は個別に対応する
また、大学側として履修取消を行うことにもメリット・デメリットがあります。
- 大学が履修取消することのメリット→「不可」を減らし、実態に近い平均値にできる
- 大学が履修取消することのデメリット→極端な話、中間テストができなかったから履修取消も可能。個別の対応が必要になる。
履修取消の判断は大学による考えの違いが表れるので、所属大学のホームページ等で確認してみるといいでしょう。


