大学では最大何単位までとれる?単位上限と卒業まで124単位必要な理由
- 大学では半期・年間に最大何単位とれる?
- 卒業要件単位が124や128に設定されている理由は?
- 修得単位上限が少ない場合、対処法はある?
このような疑問がある方に記事を書きました。
- 年間に修得できる単位数は学部で異なる。42単位が1つの基準
- 卒業までに124単位、128単位が必要な理由。複数の説を紹介
- 修得上限単位数が少ない場合の裏技を紹介
大学生が知っておくべき「単位」について、現役大学職員がわかりやすく解説していきます。
大学の最大修得単位数
大学ごとに最大修得単位数は異なりますが、一般的には以下の通りとなります。
- 大学4年間での最大・・制限なし
- 学期ごとの最大・・・・年間42単位、半期21単位程度のことが多い
年間42単位が1つの基準
大学設置基準には以下のように記載があります。
(履修科目の登録の上限)
- 第二十七条の二 大学は、学生が各年次にわたつて適切に授業科目を履修するため、卒業の要件として学生が修得すべき単位数について、学生が一年間又は一学期に履修科目として登録することができる単位数の上限を定めるよう努めなければならない。
- 2 大学は、その定めるところにより、所定の単位を優れた成績をもつて修得した学生については、前項に定める上限を超えて履修科目の登録を認めることができる。
具体的な数値は定められていませんが、多くの大学では年間42単位程度の履修登録単位が基準となっています(半期で21単位)。
好きなだけ履修できるという場合、1年間で60単位近く修得する学生が出てくる可能性もあるため、制限を設けています。
卒業要件単位に含まれない単位は対象外
最大修得単位数に含まれるのは、基本的に卒業要件単位に含まれる単位のみです。
例えば、法学部の学生が卒業要件単位に含まれない工学部の専門科目を履修する分には問題ないということになります。
※卒業要件対象外科目を、履修上限単位数(大学の最大修得単位数)に含むか否かは大学に確認しましょう。
卒業まで124単位必要なのはなぜ?
多くの大学では卒業要件単位数は124単位か128単位になっています。
大学設置基準に、大学に4年以上在学し124単位以上を修得することを定めているためです。
では、124単位というのはどこから来ているのでしょうか?確かなことはわかりませんが、いくつかの説を紹介します。
1週間45時間×32週=年間32単位
まず、大学設置基準で1単位=45時間の学修が基準と定められています。
この1単位=45時間と定められている根拠は以下の説が有力です。
【1単位=45時間とされている理由】
1日の一般的労働時間を8時間×平日5日=40時間
これに土曜日の5時間を足して、1週間に45時間学習できるという考えから、45時間を1単位と定めたという説です。
1週間で1単位学習できますから、大学の休暇期間を除いた8ヶ月で32単位修得できると考えます。
年間32単位×4年間=128単位
128単位を卒業要件単位数にしている大学は、上記の32単位×4年間を基準にしていると思われます。
年間30単位×4年間+卒論4単位=124単位
124単位を卒業要件単位数にしている大学は以下のように考えていると思われます。
年間30単位×4年間 + 卒業論文4単位
厳密に年間の学習時間を32週とせずに、切りよく30週とし卒業論文の4単位を足しているケースです(卒業論文がなくても124単位の大学もありますが)。
文部科学省もこの基準から、124単位を最低必要単位数としているのかもしれません。
修得上限単位数が少ない場合の対処法
半期で履修登録できる単位数が21単位程度だと「少ない」と感じる人もいるでしょう。
早めに単位を修得したい人に裏技を紹介します。
「単位認定制度」の利用を検討しましょう。
語学資格などを取得している学生に対して、授業の履修がなくても単位を認定する制度です。
例)TOEIC730点以上 → 英語科目2単位に認定
上記は一例ですが、語学の資格を取得していることで授業を受けずに単位として認定してもらえる制度を大学で定めています。
履修登録はせずに、単位認定できる資格勉強をすることで、履修登録上限数を越える単位を年間で修得することができます。
まとめ:単位に関しては曖昧なことも多い
大学生が知っておくべき「単位制度」について解説してきました。
基本となるのは文部科学省で取りまとめている「大学設置基準」ですが、制定理由は曖昧なものも多いです。
疑問が残る方には、大学の先生にも聞いてみるといいでしょう。
(授業を長年担当している先生でも把握していない可能性が高いです。)
本サイトでは、大学のルールに関してわかりやすく発信していますので、他の記事も読んでもらえると嬉しいです。