大学を早期卒業するメリット・デメリットは?事例も紹介

大学には通常4年の学部を3年や3年半で卒業できる「早期卒業」という制度があります。
早期卒業を取り入れている大学は多く、同じ学部から1年で3人以上早期卒業が出るということもあります。
- 早期卒業の条件:GPA・修得単位・在学期間
- 早期卒業のメリット・デメリット
- 早期卒業した学生の事例
成績が良くて、普段の授業のレベルが低いと感じている方は早期卒業を目指すのもありかもしれません。詳しく解説していきます。

早期卒業の条件
早期卒業の条件は大学ごとに規程を定めています。3年半で早期卒業を認める埼玉大学教養学部の情報を参考にしながら紹介します。
主に早期卒業の条件に定められるのは以下の3つの数値です。
- GPA
- 修得単位数
- 在学期間
※埼玉大学では2年半経過時(3年生前期終了)の状況で条件を満たしていれば、3年半(4年生前期終了)での早期卒業に申請できます。
GPA
GPAは大学の成績を数値化し、平均したポイントです。
埼玉大学のように「所属専修課程の同学年の学生の上位10パーセント以内」の示しているケースもあれば、GPA3.0以上などと示しているケースもあります。
いずれにしても上位10%程度の好成績であることが求められます。
修得単位数
埼玉大学では以下のように定められています。
「教養・スキル・リテラシー科目の卒業単位要件を満たすと同時に、卒業に必要な単位を84単位以上修得していること。」
修得単位数は2年間で84単位程度を基準としていることが多いです。通常4年間で124単位(年間31単位)のところを2年~2年半で全体の3分の2を修得している必要があります。
なお、履修上限単位数という考えから、2年間で100単位を修得することはできません。
関連記事:大学では最大何単位までとれる?単位上限と卒業まで124単位必要な理由
在学期間
埼玉大学では以下のように定められています。
「教養学部に休学せず2年半在学していること」
3年間を終了する前(2年経過時や2年半経過時)に事前に早期卒業の対象としてふさわしいのか審査があります。
審査の時点で必要な年数、大学に在学しているかも早期卒業の条件になります。
通常は2年終了時に条件を満たしていれば、早期卒業対象として3年目での卒業を目指すことになります。
早期卒業のメリット
学費が少なくて済む
早期卒業で半年または1年間大学に通う期間が短くなるので、学費の支払いも少なくなります。
「学費を払いたくないから早期卒業を目指す」という人はいないと思いますが、学費不要で、早く次のステージに進むことができるので、親にとっても自分にとっても嬉しいことと言えるでしょう。
周りからの評価が上がる
年間に数名出るか出ないかという成績優秀者なので、周りからの評価は上がります。学内の先生・同級生からはもちろん、3年で卒業したことは一生履歴書に残ります。
実際に研究・仕事をする上では中身が伴っていないといけませんが、周りからの期待は上がり、「優秀な人材」認定を受けるでしょう。
早期卒業のデメリット
一般企業就職には向かない
早期卒業は、正直言うと一般企業への就職には向かないと考えています。以下の理由からです。
- 3年間は学業に費やすため、就活の時間がない
- 一般的な就活のタイミングに学業が忙しい
- 企業としては学部卒の優秀な人材は扱いづらい
日本の就活では横並びでの採用が基本です。3年生から就活して、4年間で卒業する学生を採用します。早期卒業という特殊な学生は、優秀でも内定を出しづらいでしょう。
また、4年分の学習を半年以上短縮して行うため、学業が常に忙しくなり、就活する時間的余裕はほとんどなくなります。
一方で、学部を早期卒業後、大学院で専門性を深めて就職ということであれば、一流企業からも需要があります。早期卒業は進学・留学のために行うほうが効果的です。
大学の思い出が少なくなる
学業に費やす時間が増えるので、大学での課外活動・人間関係の思い出は少なくなると思います。
バイト・サークル・海外旅行など4年間楽しみたいことがある人には早期卒業は向かないかもしれません。また、同級生と受ける授業が変わってくるので、友人とのスケジュールも合いづらくなってしまいます。
早期卒業の事例
実際に早期卒業した学生の事例を紹介します。
- 文学部・女性
- 2年終了時GPA3.4
- バイト・サークルはしていない
- 実家暮らしで真面目
1年生からほとんどの成績はもっともよい「秀」、2年生で専門の心理学の授業が多くなってきたが変わらず成績はよく、先生の推薦図書を毎回読むような生活を送っていた。
2年生の時の授業で発表・討論のレベルが高く、先生からも注目を浴びる。2年の授業中に大学院進学の希望を先生に話したところ、「早期卒業も考えてみたら?」と言われ、学部内で推薦を受けることに。
3年で単位を取り終え、1年早く大学院に進学し、いち早く研究をスタートさせています。大学院に進学したことで学会発表なども増え、大学教員を目指しているといいます。

まとめ:早期卒業は自慢できる
早期卒業は、トップ10%以内の学生に許された貴重な権利です。
- GPA
- 修得単位数
- 在学期間
- (規程によっては)先生からの推薦
大学で早期卒業の規程を公開していますので、確認してみてください。
早期卒業した人は大学院でいち早く研究を始めたり、海外へ留学したりと同級生に大きな差をつけられます。チャンスがあるならぜひチャレンジしてみてください。
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