入学に関する制度
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飛び級制度(飛び入学)のメリット・デメリットを解説

飛び級制度のメリット・デメリット
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飛び級制度(飛び入学)と聞くと、アメリカなど海外の話?と考える人が多いと思います。

実は、日本でも飛び入学を導入している大学があります。千葉大学、名城大学、日本体育大学、京都大学などです。

本記事の内容
  • 飛び級制度を採り入れている大学は、千葉大学など10校ほど
  • 飛び級制度のメリットは、学力にあわせ早く学位を取得できること
  • 飛び級制度のデメリットは、事例が少ないこと、周りの理解がないこと

また、飛び入学をした学生は高校を卒業せずに、大学に入学しているので、大学を中退した場合、最終学歴「中卒」となるという問題点がありました。

「中卒問題」に対して、2022年4月の学校教育法の改正により、一定の条件を満たせば、最終学歴「高卒」として認定されることになりました。併せて解説します。

ダイマナ
ダイマナ
現役国立大学職員
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    飛び入学(飛び級)とは?

    「飛び入学」とは、高校を卒業せずに大学に、大学を卒業せずに大学院に入学できる制度です。「飛び級」と呼ばれることもあります。

    いわゆる「飛び入学」とは、特定の分野について特に優れた資質を有する学生が高等学校を卒業しなくても大学に、大学を卒業しなくても大学院に、それぞれ入学することができる制度です(法第90条第2項、第102条第2項、施行規則第151条、第152条、第153条、平成13年文部科学省告示第167号)。

    一般に用いられるのは、高校2年生の学習を終えた後に、大学に入学することが多いです。

    通常、高校3年生を終えて入学するのが大学ですから、高校3年生の学習を「飛ばして」、大学に入学するということから、「飛び入学」と呼んでいます。

    「飛び入学」というと海外のイメージですが、日本でも導入している大学があります。

    日本で最初に飛び入学制度を導入したのは千葉大学で、1998年度から飛び入学で学生を受け入れており、100人以上の卒業生がいます。

    その他にも、京都大学など、約10の大学で飛び入学入試が実施されています。

    文部科学省 令和5年度飛び入学実施大学一覧

    飛び入学のメリット

    自分の学力の進捗に併せて、早く学位を取得することができるのが最大のメリットです。

    高校3年生を飛ばして大学に進学するのを始めとして、多くの「飛び入学実施大学」では早期卒業制度も充実しています。

    【飛び入学者の学位取得スケジュール例】

    • 高校2年生の時に受験し、17歳で大学入学
    • 4年制学部を3年で早期卒業し、20歳で大学院修士課程に入学
    • 2年制の大学院修士課程を1年で早期卒業し、21歳で大学院博士課程に入学
    • 3年制の大学院博士課程を2年で早期卒業し、23歳で博士号取得

    こちらは極端な例ですが、若くても20代後半で取得する博士号を23歳で取得することも可能です。

    飛び入学で大学に入学するような優れた学生なので、非現実的な話ではありません。

    大学院まで進学することはなくても、優秀な人材が若いうちから社会に出ることになるため、社会にも良い影響が大きいと言えるでしょう。

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    飛び入学のデメリット

    飛び入学は事例が少ないため、周りから反対されることも多いです。

    横並びが推奨され、周りに反対される

    日本の「出る釘は打たれる」体質が、飛び入学者数を増やせない要因だと言われています。

    学力や本人の能力・適正に関わらず、多くの学生が一斉に就活して、一斉に就職することからわかるように「例外」に厳しい風潮があります。

    大学においては学生の秋入学や、休学して留学を行うということを少しずつ取り入れていますが、「他の学生」と同じように、4年間で大学を卒業して、22歳で就職するという考えが一般的です。

    高校生において、この同調圧力はとても強いものだと言えます。

    95%以上の学生が高校を卒業した後、大学に進学している中、高校3年生を終了せずに大学に進学することは学校の先生・親にも反対されるケースが多いです。

    高校で飛び入学者への配慮がない

    飛び入学をする学生は高校3年生を過ごさないことになるため、高校3年生の体育祭・修学旅行・卒業式などに参加できないことになります。

    高校を中退して、大学に入学しているので、当然といえば当然ですが、学生にとっては非常に寂しいことで、飛び入学を止める理由にもなっています。

    「飛び入学」はポジティブな中退なので、元同級生と一緒に卒業アルバムに載せてもらったり、卒業生向けイベントに招待するなど高校からの配慮も必要と考えられています

    一方で、経済的な理由で高校を中退して働いている学生もいるため、「飛び入学」だけ特別というわけにはいかないという事情もあります。

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    飛び入学をめぐる文部科学省の動き

    「飛び入学」にネガティブな意見が多いのが現状ですが、文部科学省が制度改革に着手しています。

    飛び入学者数は年間数名に留まる

    飛び入学を実施している大学は複数あるものの、どの大学も飛び入学で入学する学生は数名のみです。募集を行っても、志願者がいない、適した学生がいないということで入学者が0ということも多いです。

    20年以上、コンスタントに入学者を出している千葉大学でも、0名〜8名で入学者数にばらつきがあるといいます。

    そもそも飛び入学という制度が、高校生や高校教員の間でもほとんど認知されていないという問題があります。

    飛び入学をする時点では学歴「中卒」となる

    2021年度までは、飛び入学のデメリットとして、大学を中退した場合に、最終学歴「中卒」となる問題がありました。

    最低限、高校は卒業していたほうがよいという日本社会の雰囲気が飛び入学を躊躇させていたのかもしれません。

    16歳・17歳の時に、大学を卒業できる確信を持てる学生は多くないでしょう。

    最終学歴「中卒」となるデメリットも、2022年4月から高等学校卒業程度認定審査制度が制定され、救済措置が定められました。

    「高等学校卒業程度認定審査」が行われることとなり、高校で50単位、大学で16単位相当が修得されていれば、高卒認定が与えられることになりました。

    通常、高校の卒業要件は74単位、大学の卒業要件は124単位ですから、高校に2年通って、大学1年間通えば、おおよそ高卒認定の条件を満たすことになります。

    飛び入学を検討したい場合は千葉大学に

    「飛び入学」に挑戦したいという場合、ぜひ積極的にチャレンジしてもらいたいです。

    複数、飛び入学を実施している大学があるものの、実態として入学者・卒業者を輩出していない大学も多いです。

    まずは、実績・歴史のある千葉大学の先進科学プログラムのホームページを見てみるのがいいでしょう。

    飛び入学の対象者には、「日本情報オリンピック」などの実績を条件にしている場合もありますが、数学や物理などの試験と面接で試験を受けられる方式もあります。

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    まとめ:飛び入学は今後、拡がる可能性も

    飛び入学(飛び級)は、高校を卒業せずに大学に入学する制度です。

    本記事の結論
    • 飛び級制度を採り入れている大学は、千葉大学など10校ほど
    • 飛び級制度のメリットは、学力にあわせ早く学位を取得できること
    • 飛び級制度のデメリットは、事例が少ないこと、周りの理解がないこと

    飛び入学にはデメリットと考えられることも多いですが、1年早く最先端の研究に触れられることは、将来的に大きなアドバンテージになるはずです。

    本サイトでは大学のルールに関してわかりやすく発信していますので、他の記事も読んでいただけると嬉しいです。

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