フル単は当たり前?GPAは低くなるのか、文系理系の違い
大学に入学すると「フル単」という言葉をよく聞きますが、「フル単」は2つの意味で使われます。
- フル単は「期間内上限単位の取得」か「単位を落とさない」の2つの意味
- 約半数の学生はフル単を達成している
- フル単に関する文系・理系の違いを解説
フル単を目指すべきかを含めて、大学生の単位に関するお悩みを現役大学職員が解決します。
フル単の2つの定義
「フル単」は2つの意味で使われます。以下の2つです。
- 期間内の上限単位の修得=上限フル単
- 履修単位を落とさず、全て修得=不可なしフル単
期間内で取得できる上限単位を修得すること
大学生は時間割が被らなければ、好きなだけ授業を履修できるわけではありません。
学部・学科ごとに、タームごと・年ごとに履修できる上限単位を設定しています。一般的には半期で22単位までなどです。
これは、単位の修得にあたり予習・復習の時間が必要なために定められています。
例えば、月から金まで、1限から5限まで履修すると50単位を修得することができます(1授業2単位換算)。
しかし、実際にこの時間割を組むと予習復習・レポート作成の時間が取れず、授業が定める学習目標を達成することが難しくなります。
このような理由から、期間ごとの単位上限を決めているんです。
学部・学科が定める上限まで単位を修得することを「フル単」と呼んでいます。
履修単位を落とさず、全て修得できたこと
履修単位を落とさなかったことを「フル単」ということもあります。
10の授業を受けていて、「不可」がなく、全ての単位を修得するのがフル単です。
成績公開が行われた後に、友達と「フル単いったわ!」などと話しているのを聞きます。
多くの学生はこちらの単位を落とさなかったことを「フル単」と言っています。
②のフル単のほうが、①のフル単より簡単です。また、②不可なしフル単かつ①上限フル単というケースもあります。
「フル単」と言われたら、期間内の単位を落とさなかったという状況で、人によっては学部の定める上限単位まで修得しているという状況です。
フル単は当たり前?
フル単を「不可なし」と考えると難易度はどの程度なのか考えてみましょう。
評価「不可」=単位を落としたことがなく卒業する学生は3割程度います。半年や1年単位で考えると、半数の学生がフル単を達成しています。
そう考えるとフル単は、頑張ればできる当たり前のレベルとも考えることができます。
筆者の感覚では「フル単きたわ!」と言っている学生は、前の学年で不可の科目が多かった崖っぷちの学生が多いように感じます。
しっかり予習復習の時間をとって対策をすれば「不可」を免れることはできるでしょう。
フル単に関するよくある質問
フル単はしっかり授業を受けていれば難しくないと考えていますが、よくある質問に答えていきます。
フル単を目指すとGPAは低くなる?
GPAは、全成績評価を平均し、数値化したものです。最高が4で、2.4~2.8が学生の平均点になります。
フル単は単位を落とさないことです。
単位を落とす=不可になると、その授業は0点になるため、GPAが下がります。
フル単だとGPAが下がることはありません。
一方で、上限フル単を目指す場合、予習復習に費やせる時間が少なくなるためGPAが低くなる可能性もあります。
GPAを上げることを目指すのであれば、上限フル単は目指さず、余裕を持った時間割を組むことをおすすめします。
フル単のしやすさは文系・理系で異なる?
文系のほうが理系よりもフル単しやすいと考えています。
- 文系は、決まった答えがない授業が多い
- 理系は、基礎となる数学や物理学の知識がないと歯が立たない授業が多い
文系の授業・テストは考え方を答えればある程度の回答を得られることが多いため、多少対策を行っていれば不可にはなりづらいです。
一方で理系の授業・テストは、基礎的な部分で躓くとほとんどの問題で回答にたどり着くことができず、不可になってしまう学生も多くいます。
必ずしもフル単を目指す必要はなく、自分の学力に合わせて履修計画を立てるようにしましょう。
まとめ:フル単は難しくない
フル単をめぐる状況などについて紹介してきました。
- 単位を落とさないフル単と、上限単位取得のフル単がある
- 学生の3割程度は単位を落とさないフル単で卒業する
- GPAを下げたくない場合は、計画的な履修登録が必要
フル単を目指して勉強を頑張るのは素晴らしいことですが、「フル単だからすごい」というわけではありません。
履修登録期間内(2回目授業のあたりまで)であれば、履修取消もできます。
「単位を落とさないフル単」を目指す場合、難易度高そうな授業の履修を取り消しておく選択肢もあります。
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