大学を留年したら費用はいくらかかる?奨学金は打ち切り?

留年が決まった時に気になるのが、学費の問題です。
留年したら、もう1年分の授業料が必要になるのが基本的な考え方です。
- 留年するともう1年分学費が必要
- 留年時の学費を抑える方法を紹介
- 留年すると原則、奨学金は打ち切り
具体的な金額に関しては、国立大学を半期で卒業できるなら30万程度で済むこともありますが、私立理系に1年通うと200万近くかかることもあります。
本記事では、一般的な留年にかかる費用について解説していきます。

大学の留年費用
大学を留年する費用については、以下の3つのケースがあります。
- 基本は「年間授業料+設備費+保険料」
- 半期なら授業料も半額に
- 履修単位数が少ない場合は特例あり
1年分の授業料・設備費・保険料
一般的には1年間の留年で、「年間授業料+年間設備費+保険料」がかかります。
授業料と施設費は半期ごとに、大学に払っていた金額が追加で1年分必要になります。さらに、学研災付帯賠償責任保険(※)という保険料も必要です。
※学校活動中の事故に関する保険で、基本的に全員加入(年間数百円程度)
年間授業料は国立・私立、文系・理系で大きく異なります。大学に確認すると正確な金額がわかりますが、以下の記事で年間学費額の目安を紹介しています。
関連記事:親が払う大学の学費の目安を解説!実家と下宿の違いも紹介
半期なら授業料も半額に
留年が半年になる場合、かかる授業料や設備費も半額になります。前期だけで必要な単位を修得できる見込みがある場合は、9月卒業(秋卒業)も検討するといいでしょう。
学部生の秋卒業者はまだ少ないので、大学事務に手順を確認しておくことをおすすめします。
- 卒業論文など通年科目がある場合、認めていない大学も多い
- 10月就職を受け入れている企業が少ない
履修単位数が少ない場合は特例あり
留年した場合、年間もしくは半期の授業料が必要になるのが基本ですが、特例を設けている大学もあります。
例えば、早稲田大学では不足単位数が4単位以下の場合、授業料を半額としています。
また、青山学院大学でも、留年者は履修単位数によって学費が変わる旨、明示されています(具体的な金額はわかりませんでした)。
学費に関して、留年時の特例があるかは所属大学に確認してみるといいでしょう。確かに、2単位のために1年生と同じ学費を支払うのは、納得いかない気持ちもわかります。
留年したら奨学金は打ち切り?
留年すると、奨学金も基本的に打ち切りになります。
給付型(返還不要)と貸与型(返還必要)で厳密なルールは異なりますが、利用者の多い貸与型の場合については、奨学金支給の認定基準に関して以下の通り定められています。
<適格認定の要素>
1.人物について・・・生活全般を通じて態度・行動が奨学生にふさわしく、奨学金の貸与には返還義務が伴うことを自覚し、かつ、将来良識ある社会人として活躍できる見込みがあること。
2.学業について・・・修業年限で確実に卒業(修了)できる見込みがあること。なお、卒業(修了)延期が確定した人、又は卒業(修了)延期の可能性が極めて高い人等は、原則「廃止」となります。
3.経済状況について・・・修学を継続するために引き続き奨学金の貸与が必要と認められること。
留年は、「卒業延期が確定した人」に該当するため、適格認定の廃止要件にあたります。
一方で、留年でなく休学の場合は「廃止」ではなく、「停止」となる可能性もあります。留年も理由によっては「停止」となり、翌年以降に復活できるケースがあります。
留年したからと言って必ず奨学金が打ち切りになるわけではないので、JASSO(日本学生支援機構)にも確認するといいでしょう。
関連記事:学費が払えない場合どうする?親と子それぞれの視点で解説
まとめ:留年すると余計に学費がかかる
大学を留年したときの費用に関して説明してきました。
基本的には1年分の学費がかかりますが、授業料を減らせる可能性(半期での卒業、大学が定める履修単位数によって学費が少なくなる特例)もあるので、調べてみるといいでしょう。
状況によっては、留年になる前に「休学」という選択肢を考えてみるといいでしょう。休学にも在籍料はかかることがありますが、留年に比べると安いです。
留年が決まってしまった人は以下の記事も参考にしてみてください。また、休学制度についても紹介しています。


