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- 大学や専門学校の進学費用、どうやって準備しよう…
- 国の教育ローンと日本学生支援機構(JASSO)の奨学金、何が違う?
- 両方借りることもできる?」
国の教育ローンとJASSO奨学金は、教育資金をサポートする代表的な公的制度ですが、仕組みや特徴が大きく異なります。
本記事の内容
- 国の教育ローン(保護者契約/入学前可/固定金利)
- JASSO奨学金(学生契約/原則入学後/低金利・無利子・給付型あり)
- 併用も可能ですが借りすぎに注意!公式サイトで早めに情報収集し比較検討することが重要。
まずは、本記事で国の教育ローンと奨学金の違いについて理解していきましょう。
本記事は以下のサイトを参考にしています。
国の教育ローン vs JASSO奨学金 早わかり比較表
まずは、両制度の主な違いを表で確認しましょう。
比較項目 | 国の教育ローン (日本政策金融公庫) | 日本学生支援機構(JASSO)奨学金 |
---|
契約者 | 保護者 | 学生本人 |
審査対象 | 保護者の返済能力(世帯年収など) | 学生の学力・人物、家計状況(収入・資産) |
主な借入/受給時期 | 原則、入学前も可能 | 原則、入学後 (※予約採用制度あり) |
資金の使い道 | 幅広い教育費(学費、受験費用、教材費、住居費など) | 学費、生活費 |
金利タイプ | 固定金利 | 給付型: なし 貸与型第一種: 無利子 貸与型第二種: 利子あり |
返済開始時期 | 原則、借入の翌月または翌々月から(※在学中利息のみ返済も可) | 卒業後から |
返済者 | 保護者 | 学生本人 |
保証制度 | 必要(連帯保証人 または 教育資金融資保証基金) | 必要(人的保証 または 機関保証) |
申込窓口 | 日本政策金融公庫、銀行・信金など | 学校(大学・専門学校等) |
「国の教育ローン」とは?特徴とメリット・デメリット
国の教育ローンは、日本政策金融公庫が取り扱う、教育資金に限定された公的な融資制度です。
国の教育ローン(日本政策金融公庫)の概要
- 融資限度額: 学生一人あたり原則350万円以内(自宅外通学や海外留学など条件により450万円以内)
- 資金使途: 入学金、授業料、施設設備費などの学校納付金、その他幅広い教育関連費用に利用できます。
国の教育ローンのメリット
- 入学前に借りられる: 合格発表前でも申し込み可能で、入学金や前期授業料など、入学前に必要となる資金に間に合わせることができます。
- 資金使途が幅広い: 上記の通り、学費以外にも様々な費用に充てられるため、使い勝手が良いです。
- 保護者が返済: 契約者が保護者のため、返済義務は保護者にあります(学生本人に将来の返済負担がかかりません)。
国の教育ローンのデメリット・注意点
- 奨学金より金利が高め: JASSOの貸与型奨学金(有利子)と比較すると、金利は高くなります。
- 保護者の審査がある: 保護者の年収や信用情報などが審査されるため、必ずしも借りられるとは限りません。
- 返済開始が早い: 原則として借入の翌月または翌々月から返済が始まります。ただし、在学中は利息のみの返済(元金据置)も可能です。
「日本学生支援機構(JASSO)の奨学金」とは?種類とメリット・デメリット
JASSOの奨学金は、学生が経済的な理由で進学を断念することがないよう支援する国の制度です。大きく分けて「給付型」と「貸与型(第1種・第2種)」があります。
JASSO奨学金の概要
- 契約者は学生本人: 親権者の連帯保証などは必要ですが、契約上の借主・返済義務者は学生本人となります。
- 申込・審査: 原則として学校を通じて申し込みます。審査には、学生本人の学力基準と、家計基準(保護者の収入・資産)の両方が考慮されます。
種類①:給付型奨学金(原則返済不要)
- 対象: 住民税非課税世帯及びそれに準ずる世帯の学生。
- 支援内容: 授業料・入学金の減免(大学等が実施)と、返済不要の奨学金の支給(JASSOが実施)がセット。
種類②:貸与型奨学金(要返済)
- 第一種奨学金(無利子): 特に優れた学生で経済的理由により著しく修学困難な人が対象。利子がつかない有利な奨学金ですが、家計・学力基準ともに第二種より厳しくなります。
- 第二種奨学金(有利子): 第一種よりゆるやかな基準で利用可能。在学中は無利子。
奨学金のメリット
- 学生本人が契約者: 保護者の負担を直接的には増やしません(ただし、保証人等の協力は必要)。
- 低金利または無利子: 特に第一種は無利子、第二種も国の教育ローンより低い金利で借りられる可能性が高いです。
- 返済サポート制度: 卒業後に返済が困難になった場合、減額返還や返還期限猶予などの救済制度があります。
奨学金のデメリット・注意点
- 学生本人に返済義務: 卒業後、長期間にわたって学生本人が返済していく必要があります。将来のライフプラン(結婚、住宅購入など)に影響を与える可能性もあります。
- 入学金には間に合わない場合が多い: 奨学金の振り込みは原則として入学後になるため、入学前に支払う必要がある入学金などには利用できないことが多いです。(※高校在学中に申し込む「予約採用」で入学前貸付制度を利用できる場合もあります)
- 家計・学力基準がある: 基準を満たさない場合は利用できません。
関連記事:大学を留年したら費用はいくらかかる?奨学金は打ち切り?
国の教育ローンとJASSO奨学金の判断基準
それぞれの特徴を踏まえ、どちらを選ぶべきかの判断基準を考えてみます。
優先順位は「給付型奨学金>貸与型奨学金≒国の教育ローン」となるのが基本です。
必要金額と、学生・保護者どちらが返済するかをメインに以下を参考に考えるといいでしょう。
「国の教育ローン」が向いている人
- 入学前にまとまった資金(入学金、前期授業料など)が必要
- JASSO奨学金の家計基準は超えるが、国の教育ローンの世帯年収上限はクリアしている
- 子供に将来の返済負担をさせたくない(保護者が返済する計画がある)
- 学費以外の幅広い費用(受験費用、下宿費用など)も借りたい
「JASSO奨学金」が向いている人
- 給付型奨学金の対象となる世帯(最優先!)
- 少しでも低い金利(または無利子)で借りたい
- 国の教育ローンの審査に通らない、または保護者の収入が低い
- 学生本人が卒業後に責任を持って返済していく意思がある
併用は可能?メリットと注意点
国の教育ローンとJASSO奨学金は、併用することが可能です。
併用のメリット
- より多くの教育資金を確保できる: 両方の限度額まで借りれば、高額な学費や生活費にも対応しやすくなります。
- 資金使途に応じた使い分け: 例えば、入学前に必要な入学金や準備費用は国の教育ローンで、入学後の授業料や生活費はJASSO奨学金で、といった柔軟な使い分けが可能です。
併用する場合の注意点
- 借入総額が大きくなる: 安易に併用すると、借入総額が想定以上に膨らむ可能性があります。
- 返済負担の増加: 保護者(国の教育ローン)と学生本人(JASSO奨学金)の両方に返済負担がかかることになります。具体的なシミュレーションが必要です。
国の教育ローンとJASSO奨学金の申込時期と手続き
申し込み時期や手続きは両制度で異なります。
国の教育ローンの申し込み手続き
- 申込時期:原則として通年申し込み可能です。ただし、審査や融資実行までに時間がかかるため、資金が必要な時期(入学金納付期限など)の2~3ヶ月前には申し込みを検討しましょう。合格発表前でも申し込み可能です。
- 申込窓口:日本政策金融公庫の各支店や取扱金融機関(銀行、信用金庫など)経由で申し込みます。
JASSO奨学金の申し込み手続き
- 予約採用: 高校3年生の春~夏頃に、在学中の高校を通じて申し込みます。進学前に採用が内定するため、見通しが立てやすいです。
- 在学採用: 大学・専門学校等への進学後に、進学先の学校を通じて申し込みます。
まとめ:最適なプランは家庭ごとに違う!
国の教育ローンとJASSO奨学金の違いについて紹介してきました。
ご家庭の経済状況、学生本人の学力や意欲、必要な資金額や時期などを考慮して、最適なプランを選択することが重要です。
国の教育ローンと、JASSOの奨学金が主な選択肢になりますが、大学で募集している補助金や奨学金もあります。
所属している大学が提供している奨学金の情報もかかさずチェックするようにしましょう。
ABOUT ME

平成元年生まれの30代、千葉県出身
現役大学事務職員(職員歴:8年)
学生支援・教務・研究支援などを担当
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大学職員への転職支援サイト(ゆるふわ大学職員になろう) 大学のルールをわかりやすく発信(教務.com)