入学に関する制度
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【大学の入学取消事例】合格取消になる可能性のある4つの理由も紹介

大学からの入学取消事例
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大学に長年勤めていると、学生の入学・合格を巡って様々なケースがあります。

教員から「学生を合格取消にして、入学を拒否してほしい」と相談を受けた事例がありましたので、紹介します。

本記事のポイント
  • 合格取消・入学取消は滅多にない
  • 入学取消理由は「カンニング」「虚偽申告」「刑罰」「補導」など
  • 教員側から入学取消を申し出た事例を紹介

今回紹介するのは、日本の大学院への留学生で、予定指導教員と馬が合わず、結果として学生が入学辞退することとなった事例です。

一般的には、不正行為や違法行為がなければ入学取消になることはありませんが、参考にしてみてください。

ダイマナ
ダイマナ
現役国立大学職員
Profile
  • 平成元年生まれの30代、千葉県出身
  • 現役大学事務職員(職員歴:8年)
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    入学取消・合格取消になる理由は?

    「入学取消・合格取消」は、大学の試験に合格した学生に対して、入学の拒否を大学から申し入れることを言います。

    試験に合格しているため、大学での審査は通過しているはずですが、のちに「入学拒否」とする例があります。合格取消になる理由は主に以下の4つです。

    • 試験によるカンニングが発覚した
    • 出願書類に重大な嘘・虚偽申告があった
    • 合格後に刑罰等を受けたことが発覚した
    • 未成年飲酒や未成年喫煙で補導された
      (補導では合格取消にまで発展するケースは少ない)

    カンニングや虚偽申告・逮捕・未成年飲酒等、入学者に適さないと判断した場合、入学許可を取り消すことがあります。

    所属学生にとって「停学」相当のことがあると、取り消しになると考えるとわかりやすいです。

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    「入学者の決定」という重大な判断をする場合、教授会などの会議で審議され、合格者が決定します。入学を取り消す場合も同様に、教授会等の会議で審議を行います。

    学生個人に関することで入学許可を取り消すことはあっても、大学都合で入学許可を取り消すことはまずありません

    筆者は大学に8年以上勤めていますが、実際に不正行為や違法行為を含めて入学取消となった例を知りません。

    新聞に載るような大きなニュースでなければ、入学取消まで発展しないことがほとんどです。

    めったにない事例ですが、教員側から入学取消をしたいという申し出があった事例を紹介します。

    事例:教員側が入学取消を依頼

    入学取消を申し出た経緯は以下のとおりです。

    学生:大学院に研究生として入学希望

    状況:コロナの影響で入学時期を1年延期(入学料・授業料支払い済み)

       入学延期期間中に、指導教員からオンラインで就学指導前を受けている

    ※コロナ禍の特例で、渡航が困難な場合、一度合格した学生の入学時期をずらすことが可能になっていました。

    指導教員の意見:学習意欲不足のため、入学取消としたい

    学生が、就学前指導の課題の不提出や度重なる連絡無視があったため、教員から教務課窓口に相談がありました。

    「学習意欲が感じられないため、入学を拒否したい」というのが教員の申し出でした。学生に問題があるにせよ、教員側から入学拒否の申し出は前代未聞です。

    大学の意見:一度入学を許可した学生を「入学拒否」できない

    一度認められた入学許可を取り消すのには相応の理由が必要です。今回のケースでは、入学前の学習意欲に関するものです。

    「学習意欲」は入学後に上がれば問題ないので、入学前の意欲で、入学を取消すことは難しいというのが大学の見解となりました。学生本人の意思で入学したくないというのであれば、「入学辞退」として、コロナの特例もあり入学金・授業料の返金も可能です。

    ただ、大学から入学拒否はできないという考えです。一度、合格を出している以上、重大な理由(不正行為や違法行為等)がなければ取消すことはできません。

    学生の意見:指導教員の変更を申し出る

    指導教員と学生間でやり取りをしていても進展しないため、教務課から学生に連絡を取ることにしました。

    指導教員とのやり取りの中で、ウマが合っていないことを学生も感じているため、指導教員の変更を申し出てきました。大学事務としては、入学者が指導教員を変更することについて、指導教員間で連絡が取れていれば差し支えありません。

    しかし、大学内には希望する研究分野を適切に指導できる教員が他にいませんでした

    指導教員の変更も難しい旨を事務から説明したところ、学生から入学辞退の意思表示がありました。

    結果として、学生自ら「入学辞退」の申し出がありましたので、大学から「入学取消・合格取消」とはしませんでした。

    客観的に見ると、「大学側の都合で入学を断った」と解されることもあるため、学内での重要報告事項となり、就学前指導の内容が見直されることとなりました。

    「入学取消」「入学辞退」「入学手続未了」の違い

    「入学取消」と「入学辞退」という言葉が出てきましたので、用語の違いについて整理します。

    • 入学取消・・・大学側から、入学許可を取り消すこと。「合格取消」も同義
    • 入学辞退・・・学生が入学手続期間中に、入学を辞退すること
    • 入学手続未了・・・学生が連絡をせずに、入学手続を終了しないこと

    「入学取消」は、大学側から入学許可を一方的に取り消すことですから、ほとんどありません。

    合格を出した後、入学手続をして、辞退可能期間中に辞退連絡をすれば「入学辞退」となります。

    合格を出した後、入学手続をせずに、入学手続期間を終えれば「入学手続未了」となります。

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    まとめ:入学取消・合格取消はほとんどない

    大学が「入学取消・合格取消」を行うことは、ほとんどありません。

    カンニングや虚偽申告など悪質な事由があった時のみ、教授会などの審議を経て「入学取消」となります。

    今回は、指導教員とウマが合わず、指導教員の変更も適わないため、学生の意思で入学辞退になったケースを紹介しました。学生としては一度合格しているので、入学することも可能であったでしょう。

    本サイトでは、現役大学職員が大学のルールを紹介しています。他の記事も読んでいただけると嬉しいです。

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