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転部・転科の募集はどんな時にでる?転部等を募集する理由と条件

転部・転科 募集する理由・条件
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大学には転部・転科・転コースなど、入学した学部学科とは別の所属に変更できる制度があります(以下、転部等といいます)。

学部によって転部の募集がありますが、年度によって異なることもあり、学生にとってはわかりづらい制度です。

本記事の内容
  • 大学が転部等を理由:定員充足で授業料収入を得るためが主
  • 転部等募集の有無の決定条件

現役大学職員が転部等を行う内部事情について解説していきます。

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大学が転部者を募集する理由

転部者を募集する理由は、端的に言うと「授業料収入のため」です。

文学部から経済学部に転部しても、大学全体としての収入は変わりませんが、学部ごとの収入が変わります(※学部によって、多少の学費の差はあり)。

基本的に各学部の学生数によって予算が振り分けられるので、学生数は多いほうが学部の運営費用も大きくなります。文学部としては、他学部から1人学生が増えるのは予算的に嬉しいことです(その学生が大学院に進学するとなお嬉しいです)。

収入を増やしたいなら、転部等をガンガン募集すればいいですが、そうはいきません。大学には学部ごとに「定員」があるからです。定員の考え方について次章以降で詳しく解説していきます。

転部・転科の募集がでる条件

転部等の募集は、毎年あるわけではありません。大学では学生数が定員を下回ると転部等で学生を募集することができます。

「定員割れ」と「学部運営陣の決定」で募集が行われます。

定員割れ

定員割れを判断するのに、「入学時点」と「入学後」それぞれを見ています。

入学時の定員割れ

大学入試の時点で、募集定員を満たすように合格を出していますが、定員ぴったりに収まることはまずありません。

  • 入学辞退者が多く、定員割れ
  • 入学辞退者が少なく、定員超過

入試制度の移り変わりや大学の人気ランキングなどを気にしながら合格者数を決定していますが、入学者は水物で、追加合格者などの対応をすることもあります。

追加合格を出すほどではないが、定員が空いている場合に2年次の転部募集を出すことがあります。

入学後の退学者増で定員割れ

入学時には定員を満たしていたが、1年間のうちに退学が相次ぐということも、稀にあります。

翌年度4月の転部に間に合う、半年前の時点で退学者が多いのであれば、転部を募集するという可能性があります。

学部運営陣の決定

定員割れの状況だからといって、必ず転部等の募集があるわけでもありません。転部を行うかは、最終的に学部運営陣が決定します

定員に空きがあっても、転部を募集しないのには以下の理由が考えられます。

  • 転部をしても、必修科目の履修のため4年での卒業が難しい
  • 入試時難易度の低い学部からの転部は、在学生からの不満がある

そもそも、医学部などの難易度の高い学部や専門性の高い学部は転部制度自体がありません。

毎年、転部を受け入れていた学部も「昨年転部した学生がよくなかった」などの理由で、転部を行わない可能性もあります。

転部を検討している人は、転部の前年度実績だけでなく、最新の情報を事務から入手するといいでしょう。

関連記事:大学の事務・教務課へのメールの書き方|問い合わせ・返信のルール

参考:大学の定員

私立大学・国立大学ともに大学、学部、大学院ごとに定員があります。

参考:令和7年度からの私立大学等の収容定員の変更に係る学則変更予定一覧

参考:文部科学省 大学設置基準における定員管理

各大学の学則等で定員を定める必要があり、定員を変更する場合には、文部科学省への申請が必要になります。

定員充足率・定員割れは近年、18歳人口の減少で注目されています。

また、文部科学省が欠員がある場合に、転部等を行うことを認めています。

Q5.入学者に欠員が生じてしまったので,翌年度に募集定員を増員することは可能ですか。


A.当該学年の欠員の範囲内であれば,編入学生や学内の転学部・転学科の受入れが可能ですが,定員を超える募集や既に定員を充たしている学年に更に受け入れることはできません(入学者選抜実施要項を参照)。

学生の希望で転部募集を行うことはある?

学生が転部希望を伝えることで、募集が行われる可能性はあります。

転部等の募集は「定員割れ」と「学部運営陣の決定」で行われると説明してきました。

学生からの希望で、「学部運営陣の決定」を動かすことがあります。

【理学部地球科学科から理学部化学科への転科例】

  • 理学部地球科学科に合格
  • 入学後に、地球科学より化学専攻に興味を持ち始める
  • 化学科の授業を受講し、授業担当教員にも転科したい旨を伝えていた

授業担当教員→化学科長→理学部長に話が伝わる。

もともと積極的に転科を募集しない予定だったが、理学部長が地球科学科長にも話をし、転科募集を行うことになり、無事試験で合格し、2年生から転科。

上記は一例ですが、転部等で受け入れたいと思われる成績を残しておく必要があるので、誰でもできる方法ではありません。

GPAが高ければ、先生の評価も高くなります。

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まとめ:転部等は定員不足の時に募集される

転部等が行われる背景等を説明してきました。

  • 転部等は欠員がないと行われない
  • 欠員があっても学部の方針で、転部募集をされないことがある

学生にとって、「在学中に専攻を変えられる制度」は魅力的なものです。しかし、実態は学生第一に考えられた制度ではないということも知っておいたほうがいいでしょう。

本気で転部等を考えているので、転部先の学部の授業に参加し、熱意を先生に伝えることから始めるといいでしょう(定員に空きがあれば)。

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ダイマナ
ダイマナ
現役国立大学職員
  • 平成元年生まれの30代、千葉県出身
  • 現役大学事務職員(職員歴:8年)
  • 学生支援・教務・研究支援などを担当
  • 【運営サイト】
  • 大学職員への転職支援サイト(ゆるふわ大学職員になろう
  • 大学のルールをわかりやすく発信(教務.com

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