正規生(正規学生)と非正規生(非正規学生)の違いは?大学生の学籍
大学生に所属するには「正規生」と「非正規生」があります。
- 正規生・・・大学で学位を取得できる学生(学部であれば4年で卒業)
- 非正規生・・大学で学位を取得できない学生(半年~1年程度の短期間)
一般的に「大学生」と聞いて想像するのが数年間かけて卒業する「正規生」です。
一方で、1科目の授業を受ける、数か月だけ教授のもとで研究するなど「非正規生」として大学に在籍することもできます。
本記事では、正規生と非正規生の違いをわかりやすく解説します。
正規生と非正規生の違い
正規生と非正規生の違いを以下の通りまとめました。
正規生 | 非正規生 | |
---|---|---|
入学試験 | あり | 基本的になし |
入学時期 | 4月または10月 | 決まりはなし |
修業年限 | 学部:原則4年 大学院(修士):2年 大学院(博士):3年 | なし |
在学期間 | 最短でも修業年限以上 | 数日~1年までがほとんど |
学位取得 | 可能 | 不可能 |
単位修得 | 可能(年間修得上限あり) | 可能(年間修得上限あり) |
卒業要件 | 学部:124単位以上など 大学院:30単位+研究論文等 | なし |
入学定員 | あり | なし |
入学金 | 20~30万円程度 | 研究生:10万円程度 科目等履修生:3万円程度 |
授業料 | 年間50~200万円程度 | 研究生:年間35万円程度 科目等履修生:1単位15,000円程度 |
大きく違うのは、以下の5点です。
入学時期:正規生は学年または学期の初め
- 正規生・・・学年または学期の初め
- 非正規生・・定められていない
正規生は、4月か10月の入学になります。大学生は1~3月に受験をして、4月に入学というイメージがありますよね。大学院では10月の入学者も多いです。
非正規生は、授業が始まる時期や研究を開始する時期に入学可能です。6月入学の研究生や科目等履修生もいます。
修業年限:正規生は大学の修業年限が決まっている
- 正規生・・・学部・大学院で定められている
- 非正規生・・なし
修業年限とは、大学の学部、大学院ごとに定められている卒業までに要する期間のことです。
- 多くの学部・・・・・4年
- 医学部薬学部・・・・6年
- 大学院修士課程・・・2年
- 大学院博士課程・・・3年
正規生は、上記の通り修業年限が決まっています。
非正規生は、修業年限が決まっていません。授業が開講される半年、研究をするために1年だけ大学に在籍するという学生もいます。半年~1年ほど在籍する非正規生が多いです。
学位取得:非正規生は学位を取得できない
- 正規生・・・可能
- 非正規生・・不可能
学位とは「大学・大学院の卒業・修了相当の知識・能力の証明として、大学または独立行政法人大学評価・学位授与機構が授与するもの」です。
正規生として、大学・大学院を卒業すると学位が与えられます。
学部によって異なりますが、最低124単位を習得することで、「学士」の学位が与えられます。
- 学部・・・・・・・・学士
- 大学院修士課程・・・修士
- 大学院博士課程・・・博士
非正規生は、学位を取得することはできません。
「大学卒業=学位」の資格を得られるのは、正規生のみです。
入学定員:正規生には収容定員あり
- 正規生・・・あり
- 非正規生・・なし
大学は入学できる収容定員を定めています。文部科学省で全大学の収容定員が増えないように管理を行っています。
参考:【文部科学省】令和6年度 国立大学の入学定員(予定)について
正規生は、収容定員があり、大幅に学生数を増やすことはできません。また、定員より入学者が少ない「大学の定員割れ」も問題になっています。
非正規生は、定員がありません。授業を受ける教室や、研究指導を行う教授が認める限り人数を増やすことができます。
学費:入学料・授業料は正規生のほうが高い
- 正規生・・・年間単位の授業料
- 非正規生・・単位や期間ごとの授業料
正規生は複数年かけて、週5日程度かけて通うことを想定されていますので、年間50万円~200万円ほどの授業料がかかります。
一方で、非正規生の授業料は一定ではなく、学生により異なります。
- 1単位だけ授業を履修する科目等履修生
- 1ヶ月だけ研究指導を受ける研究生
上記のようなケースであれば、数万円の学費で済むケースもあります。
正規生(正規学生)とは:収容定員内の学生
正規生とは、修業年限の期間、学習をすることで、学位を取得できる学生のことです。
正規生を「正規学生」と呼んでいる大学もあります。正規生は、一般的な大学生を想像してもらえれば大丈夫です。
- 多くは、10代~20代
- 一般入試、AO入試などを受験して入学する
- 4月入学が大半で、大学院では10月入学もある
- 学部で4年など修業年限の期間勉強し、学位を取得する
正規生は収容定員が定められているため、入試という制度で合格者を決めています。
非正規生とは:収容定員外の学生
非正規生とは、短期間大学に在籍し、授業を受けたり、研究を行ったりする学生のことです。
非正規生を「非正規学生」と呼んでいる大学もあります。非正規生は、一時的に大学で研究等を行っている学生です。
- 留学生や社会人など年齢、国籍が幅広い
- 願書や教授間の紹介のみで入学できることが多い
- 基本的に入学時期はいつでも大丈夫
- 半年から1年程度、短期間で授業聴講・研究などを行う
私立のマンモス大学などで、数百人の学生がいる授業であれば、教室に潜り込んで授業を受けることができますが、それでは単位認定がされません。
「非正規生」は正式に大学に認められて、授業を受けているので、単位の修得ができます。
- お金を払って授業を受け、単位が認定される「科目等履修生」
- 他大学を卒業して、研究を深めるために別の大学に入学する「研究生」
- 大学間の交流協定に基づいて、他大学の授業を受講できる「特別聴講学生」
参考:大学の非正規生の種類(研究生・委託研究生・特別聴講学生・特別研究学生)
基本的には非正規生も入学料がかかりますが、入学料なしとなる制度もあります。
正規生とは違い、「卒業」という概念はありません。
大学卒業後に、非正規の科目等履修生として授業を受け、教員免許を取得している学生もいます。
まとめ:非正規生であれば、簡単に大学生になれる
正規生と非正規生の違いについて説明してきました。
- 正規生・・・複数年、学習することで学位を取得する学生
- 非正規生・・短期間、授業・研究のため大学に在学する学生
大学に入学するのは大変というイメージがありますが、非正規生であれば、比較的簡単に入学できます。
教授のもとで研究したい、1科目だけ授業を受けるということであれば、「大学の非正規生になる」という選択肢もあります。
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