アルバイトやサークルなど、ガクチカの嘘は内定取り消しになる?
「内定取り消し」というニュースをたまに聞きますが、実際に内定取り消しになるケースは多くありません。
嘘を進めるわけではありませんが、多少の嘘でも内定取り消しにはならないと考えていいでしょう。
- 内定取り消しの基準を解説
- 実際の内定取り消し事例を紹介
- 就活での多少の嘘は問題ない
内定取り消しについて、現役大学職員の筆者が解説していきます。
内定取り消しの基準
内定取り消しは、「内定」を企業側から取り消す行為のことをいいます。
【「内定」とは】
法律上、内定は雇用を保障する労働契約だと考えられています。
実際に働いていないのに労働契約が生じているというのがポイントです。
労働契約であるため、簡単には取り消せない契約になります。
「内定」を出すということは労働契約行為であるため、履歴書の記載ミスや軽微な虚偽申告などでは、取り消せない可能性が高いです。
ただし、「どの程度の嘘で内定取り消しになる」という基準はないため、事例を用いて解説していきます。
「嘘と内定取り消し」それぞれのケース
筆者が考える「嘘と内定取り消し」のケースを紹介します。
アルバイトの嘘
大学生が履歴書に書くアルバイトの経歴で、内定取り消しが認められるケースはほとんどないと考えています。
アルバイトの嘘が内定取り消しにつながるのは、「募集要件」に関することを偽ることくらいかと思います。
- 1年以上の接客経験を募集要件にしているのに、接客のバイトをしていなかった
- SE経験者を募集している求人に対し、バイトでSE経験があると虚偽申告
本来であれば募集要件に当てはまらないのに、虚偽申告をして選考を突破したことがわかれば、「重大な虚偽申告」と考えられるでしょう。
サークルの嘘
「サークルの代表」をしていたとアピールしていたが、実際はサークルでの役職はなかったという例がありました。
この程度であれば厳重注意で済ませる企業が多いと思います。
ただし、バレると「嘘をついて入社したやつ」というレッテルが貼られてしまいます。
資格の嘘
よくあるのが資格関係の虚偽申告です。
「TOEIC800点」「教員免許」を取得しているという申告を加味して、内定をだしたのに実際には資格を取得していなかったというパターン。
教員免許の場合は、資格がないと仕事をする権利がないため、重大な虚偽申告に該当します。
募集条件に明記されていることを偽ると、内定取り消しとなってしまう可能性が高いです。
公的な証明書類を求められることもあるので、原本は必ず保管しましょう。
ガクチカの嘘
ガクチカ(学生時代に力を入れていたこと)の嘘で、内定取り消しになるケースは少ないです。
「力を入れた」=主観的なもので、客観的に嘘と認めることが難しいからです。
「〇〇グランプリで優秀」という嘘であっても内定取り消しにいたることは少ないと考えています。
しかし、インターネット検索ですぐにバレますし、能力が低くて働き始めてからバレるケースも多いです。
エピソードを少し盛る程度にして、全くの嘘はやめておくべきです。
GPAの嘘
大学の成績であるGPAに関して、嘘の申告をする学生もいます。
数値で出るものなので、成績証明書を提出すると嘘はすぐにバレます。
GPAは就職にほとんど関係ないというのが筆者の意見です。以下の記事で詳しく紹介しています。
嘘以外の内定取り消し
嘘で内定取り消しに至るケースよりも、他の理由で内定取り消しになるケースのほうが多いです。
卒業できない
1番多いのが卒業できなくて、内定が取り消しになるケースです。
正確には「大学卒業者が募集要件」となっているので、学生側の理由による内定取り消しになります。
100名近く新卒採用を行っている企業に所属していたことがありますが、毎年1~2名は卒業できずに内定取り消しとなっていました。
違法・犯罪行為
違法・犯罪行為が発覚して内定取り消しになるケースがあります。
近年ではSNSでの不適切な投稿が炎上し、某企業の内定者だということがわかり、内定取り消しになったということがありました。
違法・犯罪行為はもちろん、不適切な行為は労働契約を取り消す重大行為と判断されることもあります。
企業間の圧力
筆者の先輩で、意外な内定取り消しにあった人がいます。
- 有名証券と有名メーカー、2社から内定
- 有名メーカーへの就職を決定
- 有名証券に内定辞退の連絡
- 有名メーカーから内定取り消しの連絡が来る
10年以上前ですが、ほんとうの話です。
恐らく有名証券と有名メーカーが繋がっていて、有名証券からの嫌がらせだったようです。
この「内定取り消し」を合理的な理由とは言えない気がしますが、もし有名メーカーに就職できたとしても社内で嫌がらせを受けてやめることになっていたでしょう。
現在はネットで企業の悪評も広まるので、こういったことはないと思います。
まとめ:嘘での内定取り消しは少ないが・・・
嘘での内定取り消しについて解説してきました。
「御社が第一志望です」という嘘は当たり前に求められますし、時には「建前の嘘」が必要なことも多いのが就活です。
適度に嘘を付く能力が必要だと考えています。
かといって、過度な嘘は内定取り消しに繋がる可能性がありますし、入社できたとしてもその後に苦労することも考えられます。
自信を持って話せる「建前の嘘」以外は、正直に就活に挑むのがオススメです。