大学への編入学・再入学・転入学(転学)の違いを解説!
大学には、受験(一般入試やAO入試、指定校推薦)の他にも入学できる方法があります。
特殊な大学への入学方法に、「編入学・再入学・転入学(転学)」があります。
- 編入学は
「短期大学や高等専門学校等を卒業し、大学の途中の学年に入学すること」 - 再入学は
「一度退学した大学に入学すること」 - 転入学(転学)は
「他の大学から入学すること」
それぞれの入学の事例と対象者を解説していきます。
「編入学」とは?
編入学とは、「短期大学や高等専門学校等を卒業し、大学の途中の学年に入学すること」をいいます。
編入学は、大学の途中の学年(3年次など)に入学することをいい、3年次入学編入は、3編(さんへん)と呼ばれます。
編入学試験の対象者
編入学試験の対象者は、高等専門学校や短期大学を卒業した学生のほか、社会人もいます。
多い分野
文学・法学・経済学
編入学生が多い分野
工学・農学・保健学
編入学の定員は大学で定めており、毎年募集要項が出され、受験することができます。
文系の学部の社会人編入学生定員は減少しています。学部に編入するよりは大学院でより専門的に学ぼうと考える社会人学生が多いからです。
編入学の事例
【よくある編入学のパターン】
高等専門学校の卒業者を大学の3年生として、編入学を受け入れるというもの
例えば、千葉県にある木更津工業高等専門学校は5年制の学校(いわゆる高専)で、工業を専門に勉強します。
5年勉強して、卒業した後にそのまま就職する学生が多いですが、同じ県内の千葉大学で3年次編入の試験を受けて、千葉大学の3年生に入学するパターンがあります。
千葉大学では、工学部で3年次編入の定員を設けていて、木更津工業高等専門学校ほか、専門学校や短期大学で工業の専門知識を培ってきた学生を入学させています。
千葉大学工学部の資料を見ると、学校推薦枠では志願者86人中合格者59人で、自己推薦枠では志願者58人中合格者9人となっています。
専門性がある名門校からの編入は高確率で可能ということが言えるでしょう。
「再入学」とは?
再入学とは「以前在籍していた大学を退学した学生が、同じ大学・学部に入学すること」をいいます。
再入学の対象者
「以前、大学に在籍していたが、現在は退学している人」が再入学の対象者です。
大学は、退学した学生が再入学すること認めています。ただし、学部の定員に空きがある時に限ります(大学は定員まで学生を入学させますが、年に数人は退学者が出るので、定員に空きがある可能性は高いです。)
退学した学生は、自ら大学に申し出ることで再入学することができます。再入学した場合は、退学時の学年に退学時の単位を修得した状況で、再び入学することになります。
再入学時には試験などはなく、再入学料をとっているかは大学によります。再入学時から授業料を支払うことで、元の学籍を取り戻すことができます。
再入学した場合、最初に入学した時の卒業要件が適用されることになります。
再入学の事例
筆者は8年以上大学に勤務していますが、再入学を申請してきた人はいませんでした。
数年前に実際に再入学した学生や、再入学に関する問い合わせはありました。
「転入学」(転学)とは?
転入学(転学)とは「他の大学から入学すること」をいいます。
転入学の対象者
一般的には、親の都合で中学校・高校を転校するときに、中学・高校に「転入学する」という時に用い、大学で「転入学制度」を取り入れていることは基本的にありません。
転入学の事例
転入学は、制度上定められていますが、転入学を行っている大学を筆者は知りません。
早稲田大学の学生を東京大学に転入学するということなどを言いますが、実際にそのような転入学を募集している大学はありません。
早稲田大学から、東京大学に移る場合、東京大学の入試に合格して、早稲田大学を退学して、東京大学に入学することになります。
この場合、転入学という言葉を用いません。早稲田大学で修得した単位を東京大学で認定することができますが、「単位認定」と「転入学」となるかは別の話です。
まとめ:実態としては「編入学」のみ
編入学・再入学・転入学の違いについて解説してきました。
- 編入学は、専門的な分野を学習してきた人が、大学の途中の学年から入学すること(毎年、定員あり)。
- 再入学は、一度退学になった大学に、再び入学すること(ほとんどいない)。
- 転入学は、他の大学から入学すること(一般的に行われていない)。
実態としてあるのは「編入学」のみです。ほかに「飛び入学」などの制度もあります。
本サイトでは、大学のルールに関してわかりやすく発信していますので、他の記事も読んでいただけると嬉しいです。